「訪問から戻ると、ご家族からの着信履歴が3件も残っている」「遠方に住む息子さんに、お母さまの様子を伝えようと電話をかけても、なかなかつながらない」「訪問日の変更をお伝えしたつもりが、別のご家族には伝わっておらず、当日に行き違いが起きてしまった」——訪問看護ステーションや訪問介護事業所、デイサービス、居宅介護支援事業所を運営されている方なら、こうした場面に心当たりがあるのではないでしょうか。
利用者さんへのケアそのものは、スタッフの皆さんが誇りを持って丁寧に行っています。
それにもかかわらず、ご家族との「連絡」に時間と神経をすり減らし、本来のケアや記録の時間が削られているという事業所は少なくありません。
しかも、連絡がうまくいかないと「ちゃんと見てもらえているのか不安」というご家族の不信感につながり、最悪の場合は事業所の切り替えにまで発展します。
この記事では、訪問看護・介護サービスに特化して、ご家族への日々の状況報告やスケジュール調整、ちょっとした相談対応をLINE公式アカウントやLステップ等の拡張ツールで仕組み化する方法を解説します。
そのまま使える配信テンプレート、個人情報の取り扱いで失敗しないためのルール、全国の事業所の匿名事例、費用対効果のシミュレーションまで、明日から動き出せるレベルでお伝えします。
studio-TH(弦巻 陽輔)
新潟唯一のLステップ正規代理店
商工会アドバイザーとして多数のLINE活用支援を実施中。
なぜ訪問看護・介護の現場は「ご家族連絡」で疲弊するのか
まず、なぜご家族との連絡がこれほど負担になるのかを整理しておきましょう。
原因を構造的に理解しておくと、どこを LINE で置き換え、どこを人が担うべきかが明確になります。
電話中心の連絡が生む「すれ違いコスト」
訪問看護や訪問介護のスタッフは、日中のほとんどを移動とケアに費やしています。
一方、ご家族の多くは働き盛りの世代で、日中は仕事中です。
スタッフが電話をかけられる時間と、ご家族が電話に出られる時間が、そもそも重なっていないのです。
その結果、「かける→出ない→折り返しを待つ→訪問中で出られない→またかける」という不在着信のラリーが発生します。
ある事業所でスタッフに記録をつけてもらったところ、ご家族1件の連絡を完了させるまでに平均2.4回の発信が必要で、1回あたり準備も含めて約8分かかっていました。
つまり、たった1件の報告に約20分を費やしていた計算です。
さらに、電話の内容は記録に残りにくく、「言った・言わない」のトラブルの火種にもなります。
口頭で伝えた訪問日の変更が、別のご家族には共有されていなかった、というのはその典型例です。
ご家族が抱える「見えない不安」とクレームの関係
ご家族の立場に立つと、別の景色が見えてきます。
特に遠方に住むご家族にとって、親の暮らしぶりは「見えない」ものです。
訪問の様子がわからないまま時間が経つと、「本当にちゃんとケアしてもらえているのだろうか」という不安が少しずつ膨らみます。
この不安が、ある日突然「もっと頻繁に連絡がほしい」「前回の訪問で何をしたのか教えてほしい」という強い要望、つまりクレームのような形で表面化します。
スタッフ側からすると「いつもきちんとやっているのに」と感じますが、ご家族が求めているのは特別な対応ではなく、「様子がわかる」という安心感なのです。
言い換えれば、短くても定期的に様子が届いていれば、多くの不安やクレームは未然に防げます。
クレーム対応の基本的な考え方については、クレームをファンに変える!
LINE公式アカウントを活用した迅速なカスタマーサポート術でも詳しく解説しています。
人手不足の現場で「連絡業務」が後回しになる理由
介護・看護業界の人手不足は深刻で、多くの事業所が限られた人数で訪問件数を回しています。
こうした状況では、目の前の利用者さんへのケアと記録が最優先になり、ご家族への連絡はどうしても「時間ができたら」の業務になります。
しかし、連絡が後回しになるほどご家族の不安は高まり、結果として問い合わせの電話が増え、さらにスタッフの時間を奪うという悪循環に陥ります。
連絡業務は「余裕があればやること」ではなく、「仕組みで回すべき基幹業務」だと捉え直すことが、改善の第一歩です。
LINE公式アカウントで変わる「報告・調整・相談」の3つの業務
では、LINEを導入すると具体的にどの業務がどう変わるのでしょうか。
ご家族との連絡業務は、大きく「報告」「調整」「相談」の3つに分けられます。
それぞれについて、LINEでの置き換え方を見ていきましょう。

日々の状況報告を「定型化」して1件1分に
最も効果が大きいのが、訪問後の状況報告です。
報告内容をあらかじめ「体調」「食事」「排泄」「睡眠」「気になったこと」といった項目に定型化しておけば、スタッフは選択肢を選び、一言コメントを添えるだけで報告が完成します。
LINEで送る報告は、ご家族が仕事の休憩時間や帰宅後など、自分の都合の良いタイミングで確認できます。
電話のように「今出られるかどうか」を気にする必要がありません。
スタッフにとっては1件1分程度で完了し、ご家族にとっては文字で残るので何度でも読み返せるという、双方にメリットのある形です。
なお、LINEで送る報告は「安心につながる様子のお知らせ」にとどめ、詳細な医療情報や検査値などは、事業所の記録システムや対面・電話での説明に回すのが原則です。
この線引きについては後ほど詳しく解説します。
訪問スケジュールの調整・変更連絡を自動化
「来週の訪問日時を変更したい」「通院の付き添いがあるので、その日は訪問をずらしてほしい」といったスケジュール調整も、電話で行うと何往復ものやり取りが必要です。
LINE公式アカウントのリッチメニュー(トーク画面下部に固定表示されるボタン型のメニュー)に「訪問日の変更希望」ボタンを設置し、回答フォームに希望日時と理由を入力してもらう形にすれば、事業所側は空き時間にまとめて確認・調整できます。
さらに、Lステップなどの拡張ツールを使えば、訪問予定日の前日に「明日10時に担当の○○が伺います」というリマインドを自動送信することも可能です。
リマインド配信による行き違い防止の考え方は、ドタキャン・無断キャンセルを防ぐ!
LINEのリマインド配信で来店率を劇的に上げる方法で紹介している手法がそのまま応用できます。
リッチメニューの設計については、クリック率が3倍に?
LINEリッチメニューの「データに基づく」改善サイクルもあわせてご覧ください。
ご家族からの相談を「緊急度別」に振り分ける
ご家族からの相談には、「すぐに対応すべきもの」と「数日以内に回答すればよいもの」が混在しています。
電話ではこれらが区別なく飛び込んでくるため、スタッフは常に身構えていなければなりません。
LINEでは、相談の入り口を緊急度別に分けておくのが効果的です。
たとえば、リッチメニューに「よくある質問」「ご相談(2営業日以内に回答)」「緊急時はこちら(電話番号表示)」の3つを用意します。
よくある質問は自動応答で即時回答し、急ぎでない相談はLINEで受け付けて担当者がまとめて返信、本当に緊急の場合は必ず電話に誘導する、という役割分担です。
緊急時の連絡をLINEだけで受けるのは避けてください。
夜間や休日に既読がつかないことでご家族を不安にさせたり、対応が遅れたりするリスクがあるためです。
自動応答の具体的な作り方は、お問い合わせ対応を自動化!
LINEチャットボット(自動応答)で業務効率と顧客満足度を上げるで詳しく解説しています。
失敗しないための個人情報保護と運用ルール
訪問看護・介護の分野でLINEを活用する際、最も慎重に考えなければならないのが個人情報の取り扱いです。
ここを曖昧にしたまま走り出すと、どれほど便利な仕組みでも事業所の信用を損ねかねません。
LINEで「送ってよい情報」と「送ってはいけない情報」
利用者さんの心身の状態に関する情報は、個人情報保護法上の「要配慮個人情報」に該当しうる、特に慎重な取り扱いが求められる情報です。
そのため、LINEで送る内容にはあらかじめ明確な線引きをしておく必要があります。
- 送ってよい情報の例:訪問完了のお知らせ、「お元気そうでした」「お食事はよく召し上がっていました」といった様子の概要、訪問日時の確認・変更、事業所からのお知らせ
- 送ってはいけない情報の例:病名や診断内容、検査値、服薬内容の詳細、褥瘡(床ずれ)などの身体の写真、利用者さんのフルネームと住所の組み合わせ
判断に迷う情報は「LINEでは送らない」を原則とし、「詳しくはお電話(または面談)でご説明します」と案内するルールにしておけば、現場のスタッフも迷わずに済みます。
医療情報の取り扱いについては、厚生労働省などが示す医療情報システムの安全管理に関するガイドラインも参考に、事業所としての方針を定めておきましょう。
スタッフ個人のLINEを使わせてはいけない理由
意外と多いのが、スタッフが善意で自分の個人LINEをご家族と交換してしまうケースです。
手軽で便利に見えますが、これは事業所にとって大きなリスクです。
- スタッフが退職・異動すると、連絡履歴ごと事業所の手を離れてしまう
- 誰が何を伝えたのか、管理者が把握できない
- 休日や深夜にもご家族から連絡が届き、スタッフが疲弊する
- スマートフォンの紛失時に、利用者さんの情報が流出する恐れがある
LINE公式アカウントなら、事業所として1つのアカウントを複数のスタッフで管理でき、権限設定や対応履歴の確認も可能です。
「個人のLINEは使わない、必ず事業所の公式アカウントで」というルールを就業規則や業務マニュアルに明記しておきましょう。
同意取得と家族間の情報共有ルール
LINEでの連絡を始める前に、利用者さんご本人(またはその代理人)から、ご家族にLINEで状況をお伝えすることについて書面で同意を得ておくことが大切です。
契約時の重要事項説明の際に、同意書を1枚追加する形が実務的です。
また、ご家族が複数いる場合は「誰に、どこまでの情報をお伝えするか」も確認しておきます。
きょうだい間で介護方針が異なり、「長男には伝えてほしいが、次男には伝えないでほしい」といった要望が出ることも、現場では珍しくありません。
Lステップなどの拡張ツールでは、友だちごとに「タグ」(属性を表すラベル)を付けて情報を出し分けられるため、こうした細やかな要望にも対応できます。
顧客属性に合わせたメッセージの出し分けについては、名簿は宝。
Lステップで実現する、顧客属性に合わせた「1対1」のメッセージングが参考になります。
そのまま使える!訪問看護・介護向けLINE配信テンプレート
ここからは、実際の現場ですぐに使えるテンプレートをご紹介します。
事業所の雰囲気に合わせて言い回しを調整してご活用ください。

訪問後の状況報告テンプレート
訪問直後にスタッフが送る、最も使用頻度の高いテンプレートです。
> ○○様のご家族様
> 本日10時〜11時の訪問が完了しましたのでご報告いたします。
> 【ご様子】お元気そうでした
> 【お食事】昼食はほぼ全量召し上がりました
> 【気になったこと】特にございません
> 担当:看護師 △△
> ※詳しい内容をお聞きになりたい場合は、リッチメニューの「ご相談」からお気軽にどうぞ。
ポイントは、項目を固定し、毎回同じ順番で伝えることです。
ご家族は「いつもの場所」を見れば様子がわかり、スタッフも書く内容に迷いません。
「気になったこと」に記載がある場合は、別途電話でフォローするというルールにしておくと安心です。
スケジュール確認・変更連絡テンプレート
訪問日の前日に自動送信するリマインドと、変更時の連絡テンプレートです。
> 【訪問予定のお知らせ】
> 明日○月○日(○)10:00頃、担当の△△が伺います。
> ご予定に変更がある場合は、下の「訪問日の変更希望」ボタンからお知らせください。
> 【訪問日時変更のご連絡】
> ○月○日の訪問を、○月○日(○)14:00に変更させていただきました。
> ご確認いただけましたら、「確認しました」ボタンを押してください。
「確認しました」ボタンを設けておくと、誰がいつ確認したかが記録に残り、「聞いていない」という行き違いを防げます。
月次レポート・季節のお知らせテンプレート
毎日の報告に加えて、月に1回「今月のご様子まとめ」を送ると、ご家族の安心感は格段に高まります。
> 【10月のご様子まとめ】
> 今月は計8回訪問いたしました。
> 気温の変化にも負けず、毎回笑顔で迎えてくださいました。
> 来月は寒さが厳しくなりますので、室温管理と水分補給について、次回訪問時にご家族様ともご相談させてください。
あわせて、インフルエンザの予防接種の時期や、年末年始の営業日、台風・大雪の際の訪問対応方針など、事業所からのお知らせもLINEで一斉に届けられます。
季節ごとのお知らせは、対象者を絞ったセグメント配信を活用すると、配信コストを抑えつつ必要な方にだけ届けられます。
詳しくはLINE公式のメッセージ配信コストを削減!
「セグメント配信」で無駄撃ちをなくすをご覧ください。
全国の訪問看護・介護事業所の活用事例
ここでは、LINEを活用してご家族との連絡を改善した事業所の事例を、匿名でご紹介します。
事例1:首都圏のある訪問看護ステーション(電話対応時間の削減)
首都圏で看護師8名が在籍する、ある訪問看護ステーションでは、利用者さんの約7割のご家族が都内や近隣県に離れて暮らしており、日中の電話がほとんどつながらないことが悩みでした。
看護師1人あたり、1日に平均40分をご家族への電話連絡に費やしていました。
そこで、LINE公式アカウントを開設し、契約時に同意書とあわせて友だち追加をしてもらう運用に切り替えました。
訪問後の報告は前述の定型テンプレートで送り、詳しい説明が必要な場合のみ電話をかけるルールにしました。
導入から3カ月後、看護師1人あたりの電話連絡時間は1日約40分から約12分に短縮されました。
ご家族からも「仕事中でも様子がわかって安心」「文字で残るので、きょうだいにも転送して共有できる」と好評で、満足度アンケートの「連絡のしやすさ」の項目は大きく改善しました。
事例2:北陸地方のある訪問介護事業所(ご家族の満足度向上)
北陸地方で訪問介護を行う、ある事業所では、ご家族から「ヘルパーさんが何をしてくれているのかわからない」という声が寄せられることが課題でした。
サービス内容に問題はなかったものの、見えないことが不安を生んでいたのです。
この事業所では、訪問のたびに「本日のサービス内容(掃除・調理・買い物同行など)」と「ご様子の一言」を送る運用に加え、月1回の「ご様子まとめ」配信を始めました。
また、季節のイベント(敬老会など)の際には、ご本人の同意を得たうえで、利用者さんが笑顔で参加されている写真をお送りするようにしました。
その結果、ご家族からの不安・苦情の連絡は導入前の月平均6件から月1件程度に減少しました。
さらに、ご家族の口コミをきっかけに、近隣のケアマネジャーからの新規紹介が増えるという副次的な効果も生まれています。
事例3:九州のある小規模多機能型居宅介護事業所(スケジュール調整の自動化)
九州で小規模多機能型居宅介護を運営する、ある事業所では、「通い」「訪問」「泊まり」を柔軟に組み合わせるサービスの特性上、スケジュール変更の連絡が非常に多く、管理者が1日の大半を電話での調整に費やしていました。
Lステップを導入し、リッチメニューに「利用日の変更希望」「泊まりの追加希望」のフォームを設置しました。
また、利用予定日の前日には自動でリマインドを送り、送迎時間もあわせてお知らせするようにしました。
導入後、スケジュール調整にかかる電話は約7割減少し、管理者は空いた時間をスタッフ教育や新規利用者の受け入れ準備に充てられるようになりました。
送迎時の「準備ができていなかった」という行き違いもほぼなくなり、送迎スタッフの待ち時間も短縮されています。
事例4:東海地方のある居宅介護支援事業所(相談のハードルを下げる)
東海地方の、ある居宅介護支援事業所では、ケアマネジャーが多くの利用者さんを担当しており、ご家族が「忙しそうだから相談しにくい」と感じて遠慮した結果、問題が深刻化してから相談が来るケースが課題でした。
そこで、LINEに「ちょっとした相談」の窓口を設け、「こんなこと聞いていいのかな、という内容でも大歓迎です」と案内しました。
よくある質問(介護保険サービスの基本的な仕組み、申請の流れなど)は自動応答で回答し、個別の相談は担当ケアマネジャーが2営業日以内に返信するルールにしました。
結果として、早い段階での相談が増え、状態が悪化する前にサービス内容を見直せるケースが増えたといいます。
ご家族からは「気軽に聞けるようになった」という声が寄せられています。
費用対効果シミュレーションと導入ステップ
「便利なのはわかったが、費用に見合うのか」というのは経営者として当然の疑問です。
ここでは具体的な数字でシミュレーションしてみます。

料金プランの考え方と必要なツール
LINE公式アカウントの料金プラン(税別)およびLステップの料金プラン(税込)は、次のとおりです。
- LINE公式アカウント コミュニケーションプラン:月額0円(無料メッセージ 月200通まで)
- LINE公式アカウント ライトプラン:月額5,000円(税別)/5,000通まで
- LINE公式アカウント スタンダードプラン:月額15,000円(税別)/30,000通まで
注意したいのは、2023年6月の料金改定以降、1対1のチャットでの個別返信もメッセージ通数にカウントされる点です。
利用者さん40名のご家族に月8回ずつ報告を送ると、それだけで月320通になり、無料プランの200通では足りません。
訪問報告を本格運用するなら、ライトプラン以上を前提に考えましょう。
料金プランの詳細は【2026年最新】LINE公式アカウントの料金プラン徹底解説もご参照ください。
さらに、ご家族ごとのタグ管理、前日リマインドの自動化、変更希望フォームなどを組み込む場合は、Lステップなどの拡張ツールの導入を検討します。
Lステップはスタートプラン月額5,000円(税込)から利用でき、スタンダードプラン月額21,780円(税込)、プロプラン月額32,780円(税込)が用意されています。
ただし、スタートプランは回答フォームの作成数が10個までといった制限があるため、変更希望・相談・アンケートなどフォームを多く使う場合はスタンダードプラン以上が安心です。
拡張ツールの選び方はLINE公式アカウントだけでは限界?
Lステップ等「拡張ツール」の選び方と導入メリットで比較しています。
スタッフ10名規模の事業所での試算
スタッフ10名、利用者さん50名の訪問看護ステーションを例に試算してみます。
- 導入前:1人あたり1日40分をご家族連絡に使用 → 10名×40分×月22日=月約147時間
- 導入後:1人あたり1日12分に短縮 → 10名×12分×月22日=月約44時間
- 削減時間:月約103時間
時給換算を2,000円とすると、月約20万円分の人件費に相当する時間が生まれます。
一方、ツール費用は、利用者さん50名のご家族に訪問報告と前日リマインドを送っても月5,000通には収まるため、LINE公式アカウントのライトプラン(月額5,000円(税別))とLステップのスタンダードプラン(月額21,780円(税込))の組み合わせで、合計月3万円弱です。
差し引きで月17万円以上の効果が見込める計算になります。
もちろん、これは時間を金額に換算した試算です。
ただ、生まれた時間を訪問件数の増加、記録業務の残業削減、スタッフの休憩確保に充てられることを考えれば、離職防止という金額以上の価値もあります。
業務負担の軽減と運用体制づくりについては、「LINE運用は現場の負担?」スタッフを疲弊させずに効果を上げる運用体制と自動化も参考になります。
なお、導入時にはIT導入補助金などの活用を検討できる場合もありますので、IT導入補助金_AI補助金活用ガイド_LINE_Lステップもあわせてご確認ください。
導入から定着までの5ステップ
実際に導入する際は、次の5ステップで進めるとスムーズです。
1. 運用ルールの策定:送ってよい情報・いけない情報、返信の目安時間、緊急時の連絡方法を決める
2. 同意書の準備:LINEでの連絡に関する同意書を作成し、新規契約時の書類に追加する
3. アカウント設計:リッチメニュー、テンプレート、自動応答、タグ設計を行う
4. 小規模テスト:まずは利用者さん5〜10名のご家族で1カ月試し、運用上の課題を洗い出す
5. 全体展開と振り返り:既存の利用者さんへ順次案内し、3カ月ごとにアンケートで満足度を確認する
いきなり全員に展開するのではなく、テスト運用で「スタッフが無理なく続けられるか」を確かめることが定着の鍵です。
ご家族の満足度を測るアンケートの設計は、お客様の「隠れた不満」を可視化!
LINEアンケートを活用したサービス改善とファン化で詳しく紹介しています。
よくある失敗パターンと導入前セルフチェック
最後に、導入でつまずきやすいポイントと、あなたの事業所の準備状況を確認できるチェックリストをご紹介します。

現場でよくある3つの失敗と対策
失敗1:報告の内容がスタッフごとにバラバラになる
自由記述で報告させると、スタッフによって長さや内容に大きな差が出ます。
ご家族は「今日の担当さんは何も書いてくれない」と不満を持ちかねません。
対策は、前述の定型テンプレートを必ず使うことです。
失敗2:返信のルールがなく、ご家族を待たせてしまう
LINEは気軽に送れる分、ご家族は「すぐに返事が来る」と期待しがちです。
友だち追加時のあいさつメッセージで「ご相談への返信は2営業日以内」「緊急時はお電話で」と明記し、期待値をそろえておきましょう。
あいさつメッセージの作り方はLINEあいさつメッセージのサンプル10選が参考になります。
失敗3:高齢のご家族がLINEを使えない
利用者さんの配偶者など、高齢のご家族の中にはLINEに不慣れな方もいます。
LINEはあくまで選択肢の1つとし、電話や紙での連絡も残しておくことが大切です。
LINEを使うご家族が増えるだけでも、電話対応の総量は確実に減ります。
導入前セルフチェックリスト
次の項目のうち、当てはまるものがいくつあるか数えてみてください。
- ご家族への電話連絡に、スタッフ1人あたり1日20分以上かかっている
- 不在着信の折り返し待ちで、業務が中断されることが多い
- 訪問日時の変更連絡で行き違いが起きたことがある
- スタッフが個人のLINEでご家族と連絡を取っている
- ご家族から「様子がわからない」という声を受けたことがある
- 遠方に住むご家族が多い
- スタッフの残業や離職が課題になっている
3つ以上当てはまる場合は、LINEによる連絡の仕組み化で大きな改善が見込めます。
特に「スタッフが個人のLINEを使っている」に当てはまる場合は、情報管理の観点から早めの対応をおすすめします。
採用・集客にもつながる「選ばれる事業所」づくり
ご家族との連絡がスムーズな事業所は、ケアマネジャーやご家族の口コミを通じて「安心して任せられる事業所」として評価され、新規の利用者さんの紹介にもつながります。
また、スタッフにとっても「電話に追われない、働きやすい職場」は大きな魅力です。
LINE公式アカウントは採用活動にも活用できます。
介護・看護人材の採用をLINEで効率化する方法は、求人・採用活動をLINEで自動化!
応募者の歩留まりを改善する「CONNECTA」的アプローチや採用DX_新潟の人手不足をLINEで解決する仕組みで紹介しています。
さらに、Googleマップで事業所を探すご家族も増えています。
地域で見つけてもらう工夫についてはMEOで何をすべきかを、AI検索で「近くの訪問看護」と調べられた際に選ばれるための考え方はAI検索時代(AIO)の店舗集客。
LINEを「情報の着地点」にする戦略をご覧ください。
studio-THがお手伝いできること
ここまで読んで、「必要性はわかったが、自分たちで設計するのは難しそう」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
現場が忙しい訪問看護・介護事業所にとって、それはごく自然な感覚です。
現場に合わせた設計から運用定着まで伴走
studio-THは、Lステップおよびエルメッセージの認定代理店として、全国の中小企業・店舗・事業所のLINE公式アカウント構築を支援しています。
訪問看護・介護の分野では、次のようなサポートが可能です。
- 送ってよい情報の線引きや同意書の文面など、運用ルールづくりのご相談
- 訪問報告・スケジュール変更・相談窓口のテンプレートとリッチメニューの設計
- ご家族ごとのタグ管理、前日リマインドなどの自動化設定
- スタッフ向けの操作説明と、導入後の改善サポート
「作って終わり」ではなく、スタッフの皆さんが無理なく使い続けられる状態になるまで伴走することを大切にしています。
外注するか自社で取り組むかの判断基準については、運用をプロに任せるメリットと、自社でやるべきことの境界線もご参考ください。
まずは無料相談で現状整理から
「今の電話連絡の何割をLINEに置き換えられそうか」「無料プランで足りるのか、拡張ツールが必要か」といった疑問を整理するだけでも、次の一歩は見えやすくなります。
いきなり導入を決める必要はありません。
まずは現状整理の場として、無料相談をご活用ください。
一度ヒアリングから入る形でも対応しています。
訪問看護・介護のLINE活用で押さえるべきポイント
最後に、この記事の要点を整理します。
- ご家族連絡の負担は、スタッフとご家族の「時間のすれ違い」と「様子が見えない不安」から生まれている
- LINEで「報告」「調整」「相談」を仕組み化すれば、1件あたりの連絡時間を大幅に短縮できる
- 個人情報の線引き、同意取得、事業所アカウントでの一元管理は導入前に必ず決めておく
- 定型テンプレートを使えば、スタッフごとの差がなくなり、ご家族の安心感も高まる
- 無料プランは月200通までで、個別返信も通数にカウントされるため、本格運用ならライトプラン以上を前提に考える
ご家族との連絡がスムーズになると、スタッフの皆さんは本来のケアに集中でき、ご家族は安心して大切な家族を任せられるようになります。
連絡の仕組みづくりは、利用者さん・ご家族・スタッフの三者すべてを幸せにする投資です。
まずはできるところから、一歩を踏み出してみてください。
よくある質問(Q&A)
Q1. 訪問看護や介護の報告にLINEを使っても、個人情報の面で問題はありませんか?
LINEで送る内容を「訪問完了のお知らせ」や「ご様子の概要」にとどめ、病名・検査値・身体の写真といった詳細な情報は送らないルールにしておくことが前提です。
あわせて、利用者さんご本人(または代理人)から書面で同意を得て、スタッフの個人LINEではなく事業所のLINE公式アカウントで一元管理すれば、リスクを抑えた運用ができます。
Q2. 無料のLINE公式アカウントでも運用できますか?
コミュニケーションプランは月額0円ですが、無料メッセージは月200通までです。
2023年6月の改定以降は1対1の個別返信も通数にカウントされるため、利用者さんが数名を超えて訪問報告を定期的に送る場合は、ライトプラン(月額5,000円(税別)/5,000通まで)以上を検討するのが現実的です。
Q3. Lステップは必要ですか?
どのプランを選ればよいですか?
報告を手動で送るだけであればLINE公式アカウント単体でも始められます。
ご家族ごとの情報の出し分け、前日リマインドの自動送信、変更希望フォームなどを使いたい場合はLステップの導入をおすすめします。
スタートプランは月額5,000円(税込)ですが、回答フォームの作成数が10個までなどの制限があるため、フォームを多く使う場合はスタンダードプラン(月額21,780円(税込))が安心です。
Q4. 高齢のご家族がLINEを使えない場合はどうすればよいですか?
LINEは連絡手段の選択肢の1つと位置づけ、電話や紙での連絡も並行して残してください。
LINEを使えるご家族だけでも移行できれば、電話対応の総量は減ります。
お孫さんなど別のご家族に友だち登録していただき、そこから共有してもらう方法もあります。
Q5. 夜間や休日にご家族からLINEが届いたらどうすればよいですか?
友だち追加時のあいさつメッセージや自動応答で「営業時間外のご相談は翌営業日に回答します」「緊急時は○○までお電話ください」と案内しておきましょう。
LINEを緊急連絡の窓口にしないことで、スタッフの負担とご家族の不安の両方を防げます。


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