「LINEの友だちは増えてきたのに、配信しても売上につながらない」――そんなモヤモヤを抱えていませんか。
クーポンを送ればその時だけ反応があるものの、単価の高いサービスや本命商品になると、なぜか「欲しい!」の一言が引き出せない。
多くの店舗経営者・中小企業のオーナーが、まさにこの壁の前で足踏みをしています。
実は、この差を生んでいるのは「商品力」でも「配信頻度」でもなく、メッセージの「並べ方」と「言葉の設計」です。
人が何かを「欲しい」と感じて行動に移すまでには、心理的なステップがあります。
そのステップを一段ずつ丁寧に登らせる文章術こそが、ステップ配信ライティングの本質です。
この記事では、広告・セールスの世界で長年使われてきた「AIDMA(アイドマ)」と「PASONA(パソナ)の法則」という2つの購買心理フレームを、LINEのステップ配信にどう落とし込むかを、具体的な例文とテンプレートつきで解説します。
読み終える頃には、「今日からどんな順番で、どんな言葉を送ればいいのか」が明確になっているはずです。
studio-TH(弦巻 陽輔)
新潟唯一のLステップ正規代理店
商工会アドバイザーとして多数のLINE活用支援を実施中。
なぜ「良い商品」なのに、LINE配信で売れないのか
多くの経営者は「商品やサービスの魅力を伝えれば売れる」と考えています。
しかし、読者の頭の中では、そもそも「買おうとする準備」が整っていません。
ここを飛ばして売り込むから、ブロックされてしまうのです。
読者は「売り込まれる」瞬間に心を閉じる
人は誰でも、売り込まれることを本能的に警戒します。
LINEは本来、家族や友人とやり取りするプライベートな空間です。
そこに突然「今だけ50%オフ!」という宣伝色の強いメッセージが届けば、「また広告か」と指が止まり、最悪の場合はブロックへとつながります。
ここで大切なのは、「売り込まない。気づかせる」という発想です。
読者自身が「これは自分に必要だ」「これなら試してみたい」と内側から感じるように、情報の出し方を設計する。
これがステップ配信ライティングの出発点になります。
「1通で売ろうとする」から失敗する
もう一つの典型的な失敗が、1通のメッセージで「認知」から「購入」までを一気に完結させようとすることです。
初対面の相手に、いきなり結婚を申し込むようなもの。
断られて当然です。
対面の接客を思い出してください。
優れた販売員は、まず世間話で警戒を解き、悩みを聞き出し、共感し、少しずつ商品の話へと導いていきます。
ステップ配信とは、この「一連の接客トーク」を自動化したものにほかなりません。
だからこそ、1通ずつに役割を持たせ、複数のメッセージを「シナリオ」として組み立てる必要があるのです。
感情が動かなければ、人は財布を開かない
人は論理で納得しても、最後は感情で買う生き物です。
「スペックが優れている」だけでは動きません。
「これを使えば、あの面倒な作業から解放される」「周りにうらやましがられる自分になれる」といったベネフィット(手に入る未来)のイメージが湧いて、はじめて「欲しい!」が生まれます。
ステップ配信ライティングでは、機能の説明(論理)と、未来の描写(感情)の両方を、適切な順番で配置することが求められます。
購買心理を動かす2大フレーム「AIDMA」と「PASONA法則」
ステップ配信のシナリオを設計するとき、ゼロから考える必要はありません。
人が物を買うまでの心理の流れは、すでに「型」として体系化されています。

AIDMA(アイドマ)=人が買うまでの5段階
AIDMAは、消費者が商品を認知してから購入に至るまでの心理プロセスを5段階で表したものです。
- A(Attention=注意):まず存在に気づいてもらう
- I(Interest=興味):「自分に関係あるかも」と関心を持つ
- D(Desire=欲求):「欲しい」と感じる
- M(Memory=記憶):欲しい気持ちを覚えておく・納得する
- A(Action=行動):購入・予約・申込という行動を起こす
重要なのは、この順番を飛ばさないということです。
興味も持っていない相手に「欲しくなる話」をしても響きませんし、欲求が高まっていない相手に「今すぐ買って」と言っても動きません。
PASONA法則=行動を促す文章の構成
PASONA法則は、行動を促すためのセールス文章の構成フレームです。
- P(Problem=問題):読者が抱える悩みを明確にする
- A(Affinity=親近・共感):その悩みに寄り添い、共感を示す
- S(Solution=解決策):解決の方法を提示する
- N(Narrow down=絞り込み):今行動すべき理由(限定・緊急性)を伝える
- A(Action=行動):具体的な行動を後押しする
AIDMAが「シナリオ全体の設計図(マクロ)」だとすれば、PASONAは「各メッセージの文章構成(ミクロ)」に使えます。
両方を組み合わせることで、読者の心理に沿った、無理のないセールスが実現します。
「欲しい!」を引き出す5つのシナリオ構成【例文つき】
AIDMAとPASONAを応用した、実践的な5つのシナリオ(配信ステップ)を解説します。
友だち登録直後から、この順番で配信を組んでみてください。

シナリオ①:興味喚起・挨拶(登録直後)
登録直後の読者は、あなたへの関心が最も高い状態です。
まずは「登録してよかった」と感じてもらうことに専念します。
あいさつメッセージで登録特典を渡し、「このアカウントはあなたの役に立つ」と印象づけましょう。
例文:「はじめまして、○○店の田中です。友だち登録ありがとうございます!さっそくですが、登録者限定の『失敗しない△△の選び方チェックリスト』をプレゼントします。このLINEでは、□□でお悩みの方に役立つ情報を、押し売りなしでお届けしていきますね」
シナリオ②:教育・有益な情報(2〜3日目)
ここでの「教育」とは、「読者の判断基準を作る」ことです。
読者はまだ、サービスの「良し悪しを見分ける目」を持っていません。
「良いサービスを選ぶ3つのポイント」といった知識を渡すことで、結果的に自社が選ばれる土台を作ります。
例文:「整体院を選ぶとき、多くの方が『料金の安さ』で決めてしまいます。でも本当に大切なのは、初回に『どれだけ丁寧にカウンセリングをしてくれるか』なんです。なぜなら……」
シナリオ③:欲求喚起・事例紹介(3〜4日目)
判断基準ができたところで、いよいよ「欲しい!」を引き出します。
ここで効くのが「ビフォー・アフター」と「お客様の声」です。
自分と似た境遇の人が悩みを解決した姿を見ると、読者は「自分もこうなれる」と未来を想像します。
例文:「先日ご来店されたAさん(40代)は、長年の肩こりでお悩みでした。それが3回の施術で『朝スッキリ起きられるようになった』と喜んでくださいました。同じお悩みの方、実はとても多いんです」
シナリオ④:行動の提案・オファー(5〜6日目)
欲求が高まった読者に、最後のひと押しをします。
ここで使うのが「今、行動すべき理由」です。
人は「いつでもできる」と思うと先延ばしにします。
例文:「ここまで読んでくださったあなたへ。実は今週末まで、LINE登録者限定で『初回カウンセリング』を通常8,000円→3,980円でご案内しています。枠に限りがあるため、気になる方はこのメッセージから『予約希望』と返信してくださいね」
シナリオ⑤:信頼の再確認とフォロー(購入後・未行動者へ)
購入・来店した人には感謝とアフターフォローを、まだ行動していない人には不安を解消する情報を届けます。
例文(未行動者へ):「先日ご案内したキャンペーン、迷われている方も多いかもしれません。『本当に自分に合うの?』という不安、当然だと思います。そこで今日は、よくいただくご質問にお答えしますね」
ステップ配信ライティングでよくある失敗パターンと対策

失敗1:1通が長すぎて読まれない
LINEはスマホで流し読みされる媒体です。
1メッセージ(吹き出し)あたり200〜400文字程度を目安にしましょう。
1回の配信で最大3吹き出しまで送れますが、合計文字数が多すぎると読了率が下がります。
失敗2:配信頻度が不適切
登録直後の熱が冷めないうちに畳みかけたい一方で、毎日何通も送るとブロックの原因になります。
最初の3日間は毎日、その後は2〜3日に1通といった、徐々に間隔を空ける「グラデーション配信」が効果的です。
失敗3:全員に同じシナリオを送ってしまう
「新規客」と「リピーター」に同じ売り込みを送るのは、信頼を損なう原因です。
Lステップやエルメ(エルメッセージ)などの拡張ツールを使えば、「アンケート回答」や「リンククリック」の有無によって、一人ひとりに最適なシナリオを自動で分岐させることができます。
よくある質問(Q&A)
Q1:ステップ配信は何通くらい作ればいいですか?
A:まずは5〜7通を目安に作成しましょう。
高額な商品や検討期間が長いサービスほど、教育ステップを増やして通数を多くする傾向にあります。
Q2:LINE公式アカウントの標準機能だけでもステップ配信はできますか?
A:はい、標準機能の「ステップ配信」で可能です。
ただし、より詳細なセグメント(特定のボタンを押した人のみに配信など)や、柔軟なシナリオ分岐を行いたい場合は、Lステップ等の拡張ツールの導入をおすすめします。
Q3:効果はどのくらいで出ますか?
A:友だち登録が一定数あれば、シナリオ改善後1ヶ月程度で反応率(クリック率や成約率)に変化が見え始めることが多いです。
まとめ:言葉の設計が、売上を変える
ステップ配信で売上が伸びない原因は、商品力ではなく「メッセージの並べ方と言葉の設計」にあります。
1. AIDMAで読者の心理段階を捉える
2. PASONA法則で行動を促す文章を作る
3. 5つのシナリオ構成で接客を自動化する
言葉ひとつ、順番ひとつで、読者の反応は驚くほど変わります。
今日ご紹介した型を、ぜひあなたのLINE配信に当てはめてみてください。

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