【税理士・会計事務所向け】繁忙期の問い合わせを削減!LINE公式アカウントによる書類集めと確定申告案内

Lステップ

「2月に入ってから、顧問先への『書類まだですか』の電話だけで1日が終わってしまう」「3月10日を過ぎてから、医療費の領収書が紙袋でどさっと届く」「『今年は何を出せばいいんでしたっけ?』という同じ質問に、スタッフ全員が何十回も答えている」——税理士事務所・会計事務所を経営されている先生方や、事務所を支えるスタッフの方から、こうした声を毎年のように伺います。

確定申告や決算の業務そのものは、先生方にとって得意分野のはずです。
それでも繁忙期が毎年つらいのは、本来の専門業務ではなく「書類を集める」「催促する」「同じ説明を繰り返す」というコミュニケーション業務に時間を奪われているからではないでしょうか。

一方、顧問先や個人のお客様の側にも言い分があります。
「何をいつまでに出せばいいのか、案内の紙をなくしてしまった」「平日の昼間に事務所へ電話する時間がない」「メールは埋もれて見落としてしまう」という声です。
つまり、書類が遅れる原因の多くは、お客様の怠慢ではなく「伝え方」と「受け取り方」の仕組みにあるのです。

この記事では、LINE公式アカウントとLステップ・エルメッセージ(L Message)などの拡張ツールを使って、確定申告・決算期の必要書類リマインドを自動化し、繁忙期の問い合わせを減らす仕組みを、設計の考え方からそのまま使える配信テンプレート、導入手順、よくある失敗、全国の事例、費用対効果のシミュレーションまで、最新の仕様に基づき詳しく解説します。

弦巻 陽輔

studio-TH(弦巻 陽輔)

新潟唯一のLステップ正規代理店
商工会アドバイザーとして多数のLINE活用支援を実施中。

  1. なぜ税理士事務所の繁忙期は「書類待ち」で崩れるのか
    1. 繁忙期の時間を奪う「3つの見えない業務」
    2. 紙の案内・メール・電話が生む「伝わらない」構造
  2. LINE公式アカウントで変わる「書類集め」の全体像
    1. 「お客様ごとに必要書類が違う」をセグメント配信で解決する
    2. 「回答フォーム」と「書類アップロード」で提出状況を見える化する
    3. 自動リマインドで「催促の電話」をゼロに近づける
  3. 確定申告・決算期のLINE配信カレンダーと文例テンプレート
    1. 個人の確定申告(1月〜3月)の配信スケジュール
    2. そのまま使える配信文例テンプレート
    3. 法人顧問先の決算期・年間イベントへの応用
  4. 失敗しないための導入手順と運用体制
    1. 導入5ステップ:既存顧客への切り替え手順
    2. よくある失敗パターンと対策
    3. 守秘義務と個人情報の取り扱いルール
  5. 全国の会計事務所に見る導入事例
    1. 事例1:北関東のある税理士事務所(個人申告中心)
    2. 事例2:関西のある会計事務所(法人顧問中心)
    3. 事例3:九州のある税理士法人(新規開業者向け)
  6. 費用対効果のシミュレーションと導入前チェックリスト
    1. 削減できる時間と費用の試算
    2. 導入前の自己診断チェックリスト
  7. AI時代に「選ばれる会計事務所」になるためのLINE活用
    1. 浮いた時間を「相談業務」へ振り向ける
    2. AI検索・Googleマップから新規顧客を受け止める入口として
  8. 来年の繁忙期を「書類待ち」で終わらせないために
  9. よくある質問(Q&A)

なぜ税理士事務所の繁忙期は「書類待ち」で崩れるのか

まずは、繁忙期の業務がなぜ毎年同じように逼迫するのか、その構造を整理しておきましょう。

繁忙期の時間を奪う「3つの見えない業務」

確定申告期や3月決算法人が集中する5月前後に、事務所の時間を奪っているのは申告書の作成そのものではありません。
多くの事務所で共通しているのは、次の3つの業務です。

  • 催促業務:書類が届いていないお客様に、電話やメールで1件ずつ連絡する
  • 説明業務:「今年は何が必要か」「ふるさと納税の書類はどれか」といった同じ質問に答える
  • 整理業務:紙・メール・郵送・持参とバラバラな経路で届いた書類を確認し、不足を洗い出す

ある個人申告100件・法人顧問60社規模の事務所でヒアリングしたところ、2月〜3月の電話対応だけでスタッフ1人あたり1日平均1.5時間、そのうち約7割が「書類の催促」と「必要書類に関する質問」でした。
年に一度しか発生しない業務だからこそ、仕組み化されずに毎年人海戦術で乗り切っているのが実情です。

紙の案内・メール・電話が生む「伝わらない」構造

従来の案内方法には、それぞれ弱点があります。

  • 紙の案内(郵送):届いた直後は読まれても、1月に送った案内を2月末まで手元に残しているお客様は多くありません。
  • メール:開封率が低く、迷惑メールフォルダや広告メールに埋もれやすい。
    特に個人事業主の方はメールを日常的に見ていないことが多いです。
  • 電話:つながれば確実ですが、平日の日中はお客様も仕事中。
    留守番電話と折り返しの往復で、1件の確認に3〜4回かかることもあります。

これに対してLINEは、国内で月間9,700万人以上(2024年3月末時点)が利用する、多くの方が毎日開く連絡手段です。
「税理士事務所からのLINE」はお客様にとっても見落としにくく、スマホで撮影した書類をその場で送れるため、「案内が届く」と「書類を出す」が同じ画面で完結する点が最大の違いです。

LINE公式アカウントで変わる「書類集め」の全体像

では、LINEを使うと書類集めの流れはどう変わるのでしょうか。
全体像を先に押さえておきましょう。

「お客様ごとに必要書類が違う」をセグメント配信で解決する

税理士事務所の案内が難しいのは、お客様ごとに必要書類がまったく違うからです。
給与所得者の医療費控除、不動産所得のある方、個人事業主、ふるさと納税をしている方、住宅ローン控除の初年度の方。
全員に同じ案内を送ると、読み手にとっては関係のない情報ばかりになり、結果として読まれなくなります。

そこで有効なのが、お客様に「タグ」を付けて、属性ごとに必要な案内だけを届けるセグメント配信です。
たとえば「不動産所得あり」のタグを持つ方にだけ、賃貸の収支明細や固定資産税の通知書の提出を案内する、といった運用です。
セグメント配信の基本的な考え方は、LINE公式のメッセージ配信コストを削減!
「セグメント配信」で無駄撃ちをなくす
でも詳しく解説しています。

LINE公式アカウント単体でもチャットタグによる絞り込みは可能ですが、お客様の回答に応じて自動でタグを付け、さらにそのタグに基づいてメッセージを自動送信するには、Lステップやエルメッセージといった拡張ツールの利用が不可欠です。
ツール選びの考え方はLINE公式アカウントだけでは限界?
Lステップ等「拡張ツール」の選び方と導入メリット
をご参照ください。

「回答フォーム」と「書類アップロード」で提出状況を見える化する

もう一つの柱が、回答フォームを使った提出状況の見える化です。
拡張ツールの回答フォームでは、チェックボックスで「今年あてはまる項目」を選んでもらったり、書類の画像やPDFを添付してもらったりできます。

回答した内容は自動でタグとして記録されるため、事務所側は管理画面で「医療費控除あり・書類未提出」のお客様を一覧で確認できます。
これまでExcelの管理表と郵便物を突き合わせていた作業が、ボタン一つで「誰が、何を、まだ出していないか」がわかる状態に変わります。
回答フォームの設計についてはLINE回答フォーム活用_セグメント配信でブロック率を半減させる方法も参考になります。

自動リマインドで「催促の電話」をゼロに近づける

3つ目の柱が、提出期限から逆算した自動リマインドです。
「書類未提出」のタグが付いている方にだけ、決められた日に自動で催促メッセージを送り、提出が確認できた方には送らない。
この仕組みがあるだけで、スタッフが1件ずつ電話をかける必要はほぼなくなります。

リマインド配信の考え方そのものは、予約業界のドタキャン防止と共通しています。
ドタキャン・無断キャンセルを防ぐ!
LINEのリマインド配信で来店率を劇的に上げる方法
で紹介している「タイミング」と「文面」の工夫は、書類回収にもそのまま応用できます。

確定申告・決算期のLINE配信カレンダーと文例テンプレート

ここからは、実際に使える配信スケジュールと文例を紹介します。
そのままコピーして、事務所名や日付を差し替えてご活用ください。

個人の確定申告(1月〜3月)の配信スケジュール

確定申告の受付期間は例年2月16日から3月15日までです。
事務所内の締切を「2月末」に設定している場合、次のようなスケジュールが基本形になります。

  • 1月上旬:今年の申告に向けた「あてはまる項目チェック」フォームを配信
  • 1月中旬:フォーム回答内容に応じて、個別の必要書類リストを自動送信
  • 1月下旬:未回答者にのみフォーム回答のリマインド
  • 2月上旬:事務所内締切(例:2月20日)の告知と、書類撮影・送付方法の案内
  • 2月中旬:未提出者に1回目の催促(やわらかいトーン)
  • 2月下旬:未提出者に2回目の催促(期限を明確に)
  • 3月上旬:最終案内。
    ここで初めてスタッフが個別に電話

ポイントは、スタッフが電話をかけるのは最終段階の「どうしても出ない数件」だけにすることです。
それ以前の催促はすべて自動化し、人の手は「判断が必要な対応」に集中させます。

そのまま使える配信文例テンプレート

①あてはまる項目チェックの案内(1月上旬)

「○○様、いつもお世話になっております。○○税理士事務所です。今年も確定申告の準備を始める時期になりました。お手数ですが、下のボタンから『今年あてはまる項目』を選んでください(約1分で終わります)。選んでいただいた内容に合わせて、必要な書類の一覧をお送りします」

②個別の必要書類リスト(回答後に自動送信)

「ご回答ありがとうございます。○○様の今年の必要書類は次のとおりです。①源泉徴収票 ②医療費の領収書または医療費通知 ③ふるさと納税の寄附金受領証明書。スマホで撮影して、このトーク画面に送っていただくだけで大丈夫です。提出のめやすは2月20日です」

③1回目のリマインド(2月中旬・未提出者のみ)

「○○様、確定申告の書類のご準備はいかがでしょうか。まだお手元に揃っていない書類があれば、揃った分からお送りいただいても大丈夫です。ご不明な点は『質問する』ボタンからどうぞ」

④2回目のリマインド(2月下旬・未提出者のみ)

「○○様、確定申告の期限(3月15日)が近づいてまいりました。期限内に申告を完了するため、2月28日までに書類をお送りいただけますと幸いです。ご事情がある場合は、ひと言お知らせいただければ個別にご相談に応じます」

催促文は「責める」のではなく「手伝う」トーンで書くことが、ブロックを防ぎ、関係を良好に保つ最大のコツです。
文面づくりの基本はLINEのブロック率を下げる3つの工夫。
読まれるメッセージと嫌われる配信の違い
もご覧ください。

法人顧問先の決算期・年間イベントへの応用

法人の顧問先は決算月がバラバラなため、拡張ツールを使って「決算月」を友だち情報として登録しておき、決算月の翌月初に自動で決算資料の案内が届くようにステップ配信を設定します。
たとえば3月決算の法人には4月1日に、9月決算の法人には10月1日に、それぞれ必要資料の一覧(預金残高証明書、売掛金・買掛金の明細、棚卸表など)が自動配信されます。

さらに年間を通じて、次のようなイベントもLINEで案内できます。

  • 11月:年末調整の資料回収(扶養控除等申告書、保険料控除申告書など)
  • 12月:償却資産申告・法定調書に向けた資料の案内
  • 毎月:月次の試算表・通帳コピー・領収書の提出リマインド
  • 随時:税制改正やインボイス・電子帳簿保存法に関するお知らせ

繁忙期だけでなく、年間を通じて「事務所とのやり取りはLINE」という習慣をつくることで、いざ繁忙期になったときの反応率が大きく変わります。

失敗しないための導入手順と運用体制

仕組みの全体像が見えたところで、実際に導入する手順を見ていきましょう。

導入5ステップ:既存顧客への切り替え手順

税理士事務所のLINE導入は、新規集客ではなく既存顧客との連絡手段の切り替えから始めるのが成功の近道です。

1. ステップ1:お客様の属性を整理する:所得の種類、控除の有無、決算月など、案内を出し分けるための項目を洗い出します。
2. ステップ2:LINE公式アカウントと拡張ツールを準備する:アカウント開設、リッチメニュー作成、タグ設計、回答フォーム作成を行います。
3. ステップ3:友だち追加と本人確認をセットにする:友だち追加後に氏名・顧客番号を入力してもらい、事務所の顧客台帳とひも付けます。
4. ステップ4:繁忙期の3か月前から登録を呼びかける:10〜11月の年末調整の時期に、紙の案内にQRコードを添えて登録を促します。
5. ステップ5:小さく始めて改善する:初年度は個人の確定申告だけ、など対象を絞り、翌年に法人へ広げます。

リッチメニューには「書類を送る」「必要書類を確認する」「質問する」「面談を予約する」など、お客様が迷わないボタンを配置します。
設計の考え方はLINE公式のリッチメニュー設計・制作ガイドで解説しています。

よくある失敗パターンと対策

導入した事務所がつまずきやすいポイントを、対策とあわせて整理します。

  • 失敗1:友だち登録が進まない:「LINE始めました」と告知するだけでは登録されません。
    対策:「LINEで書類を送れば郵送の手間がなくなります」「いつでも質問を送っておけます」と、お客様側のメリットを具体的に伝えます。
  • 失敗2:誰のLINEかわからない:LINEの表示名はニックネームのことが多く、顧客台帳と照合できません。
    対策:友だち追加直後に、回答フォームで氏名と顧客番号(または生年月日等)の入力を必須にします。
  • 失敗3:届いた画像が読めない:暗い・斜め・一部が切れている写真が届きます。
    対策:撮影のコツ(明るい場所で、真上から、四隅が入るように)を画像付きのメッセージで、書類提出ボタンの直後に案内します。
  • 失敗4:スタッフ個人のLINEで対応してしまう:担当者が退職すると履歴が消え、セキュリティリスクも高まります。
    対策:必ず事務所の公式アカウントに一本化し、個人のLINEでのやり取りは禁止します。
  • 失敗5:配信しすぎてブロックされる:節税情報を毎週送るとブロック率が上がります。
    対策:情報発信は月1〜2回までに抑え、重要な書類案内は対象者のみにセグメント配信します。

スタッフの負担を増やさない運用体制の作り方は、「LINE運用は現場の負担?」スタッフを疲弊させずに効果を上げる運用体制と自動化も参考にしてください。

守秘義務と個人情報の取り扱いルール

税理士には税理士法第38条による守秘義務があり、お客様の所得や資産に関する情報を扱う以上、LINE運用でも情報管理のルールづくりは欠かせません。
最低限、次の点を事務所内で決めておきましょう。

  • 送ってもらわない情報を決める:マイナンバーカードや通知カードの画像は、LINEの仕様および安全管理措置の観点からトーク画面では受け取らず、別途暗号化されたアップロード手段や郵送、来所時の確認で対応します。
  • 管理画面のアクセス権限を絞る:公式アカウントおよび拡張ツールの管理者権限は所長と特定の担当者に限定し、退職時には即座にアカウントを削除します。
  • データの保存先を決める:受け取った書類はLINE上に置きっぱなしにせず、速やかに事務所の顧客フォルダや会計ソフトに保存し、処理後は適切に管理します。
  • お客様への説明:利用規約やプライバシーポリシーをリッチメニュー等に表示し、LINEで受け取る情報の範囲と利用目的を明示します。

ルールを明文化してお客様に伝えることで、「LINEで大丈夫なの?」という不安を逆に「ITに強く、管理もしっかりしている事務所」という信頼感へ変えることができます。

全国の会計事務所に見る導入事例

ここでは、実際にLINEで書類回収を仕組み化した事務所の事例を、匿名で紹介します。

事例1:北関東のある税理士事務所(個人申告中心)

①導入前の課題:個人の確定申告を約250件受託している所長1名・スタッフ3名の事務所。
毎年2月後半から書類の催促電話が1日30件以上発生し、3月は残業が月60時間を超えていました。
高齢の農業所得者も多く、「LINEは難しいのでは」という懸念もありました。

②具体的な施策:前年11月から紙の案内にQRコードを添えて登録を呼びかけ、来所時にはスタッフがその場で友だち追加を手伝いました。
1月に「あてはまる項目チェック」を配信し、回答に応じて必要書類リストを自動送信。
未提出者にのみ2回の自動リマインドを設定しました。

③成果:初年度でお客様の約65%がLINE登録。
催促の電話は前年比で約70%減少し、3月の残業時間は月25時間まで短縮しました。
登録者のうち60代以上も4割を占め、「子どもに登録してもらった」「写真を送るだけなので楽」という声が多く寄せられました。

事例2:関西のある会計事務所(法人顧問中心)

①導入前の課題:法人顧問先約120社を抱える事務所で、月次資料の回収遅れが慢性化。
試算表の作成が翌月下旬にずれ込み、経営者への月次報告が形骸化していました。

②具体的な施策:顧問先ごとに「決算月」と「月次資料の提出日」を登録し、毎月5日に自動リマインドを配信。
決算月の翌月初には決算資料一覧が届くように設定しました。
資料が揃ったら「提出完了」ボタンを押してもらう運用にし、担当者は管理画面で未完了の顧問先だけを確認する形に変えました。

③成果:月次資料の期限内提出率が約45%から約85%へ向上。
試算表の完成が平均で10日早まり、月次面談で資金繰りの提案ができるようになったことで、顧問料の増額や経営計画策定のスポット契約にもつながりました。

事例3:九州のある税理士法人(新規開業者向け)

①導入前の課題:創業支援に力を入れている事務所で、開業1年目の個人事業主から「何を取っておけばいいのか」「この経費は落ちるのか」という問い合わせが絶えず、所長の時間が細切れに奪われていました。

②具体的な施策:開業届の提出支援をした方にLINE登録してもらい、「開業1年目のステップ配信」を作成。
帳簿の付け方、領収書の保管、青色申告のメリット、確定申告の流れを、月1回ずつ自動で届けました。
よくある質問はキーワード応答とチャットボットで自動回答するようにしました。

③成果:同じ内容の質問が約半分に減少。
さらに「事前に教えてもらえて安心した」という信頼感から、開業2年目以降の記帳代行・顧問契約への移行率が約1.5倍に高まりました。

費用対効果のシミュレーションと導入前チェックリスト

「便利なのはわかったけれど、費用に見合うのか」という疑問にお答えするため、具体的な試算をしてみましょう。

削減できる時間と費用の試算

個人申告150件・法人顧問50社、スタッフ4名の事務所を想定します。

  • 催促電話の削減:1件あたり平均10分 × 年間延べ600件 × 削減率70% = 年間約70時間
  • 必要書類の説明対応の削減:1件あたり平均8分 × 年間延べ400件 × 削減率50% = 年間約27時間
  • 書類整理・不足確認の効率化:管理画面での一括確認により年間約40時間
  • 郵送料・印刷費の削減:案内状と返信用封筒の削減で年間約5万円

合計で年間約137時間の削減となり、スタッフの時給を2,000円で計算すると約27万円、郵送費とあわせて年間約32万円相当の効果になります。

一方の費用は、LINE公式アカウントの「ライトプラン(月額5,000円・メッセージ5,000通まで)」または、通数が多い場合は「スタンダードプラン(月額15,000円・30,000通まで)」が基本です。
これに拡張ツールの月額費用(数千円〜数万円)が加わります。
なお、個別チャットの送受信はメッセージ通数にカウントされません(無料)。

年間の運用費を20〜30万円程度と見積もっても、削減効果だけで投資を回収でき、さらに残業の削減やスタッフの定着という数字に表れにくい効果も得られます。
導入時にはIT導入補助金などが活用できる場合もあります。

導入前の自己診断チェックリスト

次の項目のうち、あてはまるものはいくつありますか。

  • 繁忙期に書類の催促電話が1日10件以上ある
  • 「今年は何を出せばいいか」という質問に毎年何度も答えている
  • 書類が郵送・メール・持参とバラバラな経路で届く
  • 誰がどの書類を未提出か、Excelや紙で管理している
  • 3月の残業時間が月40時間を超えている
  • スタッフが個人のスマホやLINEでお客様とやり取りしている
  • 月次資料の提出が遅れる顧問先が3割以上ある

3つ以上あてはまる場合は、LINEによる仕組み化で大きな効果が期待できます。
5つ以上の場合は、来年の繁忙期を迎える前に、早めに体制を見直すことをおすすめします。

AI時代に「選ばれる会計事務所」になるためのLINE活用

最後に、書類回収の効率化の先にある、事務所経営そのものへの効果について触れておきます。

浮いた時間を「相談業務」へ振り向ける

記帳や申告書作成はクラウド会計やAIの進化によって自動化が進み、価格競争が激しくなっています。
その中で税理士事務所の価値は、経営者の相談に乗り、数字をもとに判断を支える「伴走型」のサービスへと移りつつあります。

LINEで書類回収を仕組み化して浮いた時間は、まさにこの相談業務に振り向けるべき時間です。
事例2の事務所のように、月次資料が早く揃えば、経営者と数字を見ながら話す時間が生まれます。
LINEは「催促の道具」ではなく、お客様との信頼関係を深めるための日常的な接点として機能するのです。

AI検索・Googleマップから新規顧客を受け止める入口として

近年は、ChatGPTやGoogleのAI検索で「近くで相談しやすい税理士」「開業したばかりでも頼める会計事務所」と調べる方が増えています。
AI検索やGoogleマップで事務所が紹介されたとき、ホームページの電話番号だけでなく「LINEで気軽に相談できる」入口があるかどうかが、問い合わせ率を左右します。

同じ士業の事例として【法律事務所・弁護士向け】敷居の高さを解消!
LINEを活用した初期相談受付と事前ヒアリング自動化
も、業務フローの共通点が多いため参考になります。

来年の繁忙期を「書類待ち」で終わらせないために

ここまで、税理士事務所・会計事務所がLINE公式アカウントで書類回収と確定申告の案内を仕組み化する方法を解説してきました。
要点を振り返ります。

  • 繁忙期を圧迫しているのは「催促・説明・整理」というコミュニケーション業務。
  • タグとセグメント配信で、お客様ごとに必要な書類だけを案内する。
  • 回答フォームと自動リマインドで、提出状況を見える化し、催促を自動化する。
  • 守秘義務を踏まえた情報管理ルールを明文化し、お客様の安心につなげる。
  • 浮いた時間を相談業務に振り向け、「選ばれる事務所」へ進化する。

仕組みづくりは、繁忙期が始まる3か月前までに着手するのが理想です。
年末調整の時期に友だち登録を呼びかければ、年明けの確定申告で十分な効果を実感できます。

studio-THは、Lステップ・エルメッセージの認定代理店として、税理士事務所・会計事務所の業務フローに合わせたLINE構築を支援しています。
タグ設計、回答フォーム、決算月ごとの自動リマインド、リッチメニュー制作まで、事務所の実情を伺いながら一緒に設計します。

「まだ何も決まっていない」という段階でも構いません。
まずは現状整理の場として、無料相談をお気軽にご活用ください。

よくある質問(Q&A)

Q1. 高齢のお客様が多いのですが、LINEで書類を送ってもらえるでしょうか?

60代・70代でもLINEを日常的に使っている方は多く、写真を撮って送るだけの操作であれば問題なく使える方がほとんどです。
来所時にスタッフが友だち追加と1回目の送信をその場で一緒に行うと、定着率が大きく高まります。
どうしても難しい方には従来どおり郵送や持参を残し、「LINEも選べる」形にしておくのが現実的です。

Q2. マイナンバーや通帳の画像をLINEで受け取っても大丈夫ですか?

通帳のコピーなどは問題ありませんが、マイナンバーなど特に機密性の高い情報は、LINEのトークでは受け取らないルールをおすすめします。
暗号化されたアップロードフォームやクラウドストレージへの誘導、来所時の確認などを組み合わせて運用し、LINEは「案内とリマインド」「一般的な書類の受け取り」に役割を絞ると安心です。

Q3. LINE公式アカウントだけで書類回収の仕組みは作れますか?

一斉配信や手動チャットはLINE公式アカウントだけでも可能ですが、お客様ごとの必要書類の出し分けや「回答内容に応じた自動タグ付け」「未提出者だけへの自動リマインド」を実現するには、Lステップやエルメッセージなどの拡張ツールが必要です。

Q4. 導入までにどれくらいの期間がかかりますか?

要件定義からタグ設計、回答フォーム、リマインドの設定まで含めて、概ね1〜2か月が目安です。
確定申告に間に合わせるなら、10月〜11月には構築を始め、年末調整の時期に友だち登録を呼びかけるスケジュールが理想的です。

Q5. 月次の顧問先とのやり取りにも使えますか?

はい、使えます。
決算月や月次資料の提出日を登録しておけば、顧問先ごとに自動でリマインドが届きます。
チャットツールを使いこなせない経営者でもLINEなら抵抗が少ないため、法人顧問先とのやり取りを一本化している事務所も増えています。

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