顧客の属性でメニューが変わる!Lステップのタブ切り替え型リッチメニューの設計術

Lステップ

「リッチメニューを作ったのに、タップされているのは『予約する』ボタンだけ」「初めてのお客様にも、10年通ってくれている常連さんにも、まったく同じ画面を見せている」——LINE公式アカウントを運用している店舗経営者の方から、こうしたお悩みを本当によく伺います。

リッチメニューは、トーク画面を開いたときに必ず目に入る、いわばお店の「玄関」です。
ところが多くのアカウントでは、その玄関が誰に対しても同じ顔をしています。
初めて来たお客様は「どんなお店なのか」を知りたいのに、メニューには「ポイントカード」「次回予約」が並んでいる。
逆に、何十回も来店している常連様は「いつもの予約」をすぐに取りたいのに、「初めての方へ」「店舗紹介」が一等地を占領している。
これでは、どのお客様にとっても「少しずつ使いにくい」メニューになってしまいます。

この問題を根本から解決するのが、Lステップの「リッチメニュー切り替え」と「タブ切り替え型リッチメニュー」を組み合わせた設計です。
お客様の属性(初めての友だち・リピート客・VIP客)に応じてメニューそのものを自動で入れ替え、さらにメニュー内をタブで整理することで、一人ひとりに「自分のためのメニュー」を見せることができます。

この記事では、Lステップ・エルメッセージの認定代理店であるstudio-THが、実際の構築現場で使っている3階層の設計テンプレート、Lステップでの具体的な設定手順、よくある失敗とその対策、全国の業種別事例、そして費用対効果のシミュレーションまで、今日から実践できる形で徹底的に解説します。
リッチメニューの基本から知りたい方は、先にLINE公式のリッチメニュー設計・制作ガイドもあわせてご覧ください。

弦巻 陽輔

studio-TH(弦巻 陽輔)

新潟唯一のLステップ正規代理店
商工会アドバイザーとして多数のLINE活用支援を実施中。

  1. なぜ「全員に同じリッチメニュー」ではタップ率が頭打ちになるのか
    1. リッチメニューは「お客様の段階」によって見たいものが違う
    2. 同じボタンが「新規には不要」「常連には邪魔」になる構造
    3. 「タブ切り替え」と「属性別切り替え」の違いを整理する
  2. 初めての友だち・リピート客・VIP客の3階層設計の全体像
    1. 階層を決める「判定基準」の作り方
    2. 階層ごとのメニュー構成テンプレート
    3. タブの中身をどう分けるか:「行動タブ」と「情報タブ」
  3. Lステップでタブ切り替え型リッチメニューを構築する完全マニュアル
    1. STEP1〜3:タグと友だち情報欄の準備
    2. STEP4〜6:リッチメニューの作成とタブ設定
    3. STEP7〜9:自動切り替えのトリガー設定とテスト
  4. よくある失敗パターンと対策
    1. 失敗1:メニューが切り替わったことにお客様が気づかない
    2. 失敗2:階層を細かく分けすぎて運用が破綻する
    3. 失敗3:VIPメニューに「特別感」がない
  5. 全国の業種別活用事例
    1. 事例1:ある美容室(福岡県)
    2. 事例2:某焼肉店(北海道)
    3. 事例3:あるパーソナルジム(愛知県)
  6. 費用対効果シミュレーションと効果測定
    1. 友だち2,000人の店舗での試算
    2. 追うべきKPI
  7. studio-THのサポートと診断チェックリスト
    1. 導入準備チェックリスト
  8. まとめ:お客様ごとの「おもてなし」をLINEで
    1. 本記事のポイント
  9. よくある質問(Q&A)

なぜ「全員に同じリッチメニュー」ではタップ率が頭打ちになるのか

リッチメニューのデザインを何度作り直しても、タップ率がある一定のラインから伸びない。
その原因は、デザインの良し悪しではなく「誰に向けたメニューなのかが決まっていない」ことにあるケースがほとんどです。

リッチメニューは「お客様の段階」によって見たいものが違う

お客様がLINEのトーク画面を開く理由は、関係性の深さによって大きく変わります。
友だち追加したばかりの方は「どんなお店か」「料金はいくらか」「初回特典はあるか」を知りたがっています。
2〜3回来店したリピート客は「次の予約」「ポイントの残り」「新メニュー」に関心があります。
そして何年も通ってくれているVIP客は「いつもの担当者で予約したい」「自分だけの特典が欲しい」と感じています。

つまり、同じ6分割のリッチメニューでも、段階ごとに「一等地に置くべきボタン」がまったく異なるのです。
全員共通のメニューにすると、どうしても「最大公約数」の構成になり、どの層にとっても70点のメニューにしかなりません。
タップ率が頭打ちになるのは、この構造的な問題によるものです。

同じボタンが「新規には不要」「常連には邪魔」になる構造

もう少し具体的に考えてみましょう。
ある美容室のリッチメニューに「初めての方へ(お店の紹介)」というボタンがあったとします。
新規のお客様にとっては必須の情報ですが、20回来店している常連様にとっては、毎回目に入る「不要なボタン」です。
逆に「ポイントカード」は常連様には便利でも、まだ一度も来店していない方にはタップする理由がありません。

さらに見落とされがちなのが、「不要なボタンが並ぶことで、必要なボタンが見つけにくくなる」という点です。
人は選択肢が多いほど迷い、結果的に何も選ばずに画面を閉じてしまいます。
リッチメニューの改善サイクルについてはクリック率が3倍に?
LINEリッチメニューの「データに基づく」改善サイクル
でも詳しく解説していますが、ボタンを減らしてタップ率が上がるケースは珍しくありません。
属性別の切り替えは、この「引き算」を顧客ごとに最適化する手法だといえます。

「タブ切り替え」と「属性別切り替え」の違いを整理する

ここで用語を整理しておきます。
本記事で扱う切り替えには2種類あります。

  • タブ切り替え:1つのリッチメニューの上部に「予約」「メニュー」「特典」などのタブを設け、お客様自身がタップして表示を切り替える方式。
    情報量の多いアカウントを整理するのに有効です。
  • 属性別切り替え:タグや友だち情報(来店回数など)をもとに、Lステップがお客様ごとに表示するリッチメニューを自動で入れ替える方式。
    お客様は切り替えを意識しません。

本記事の「タブ切り替え型リッチメニューの設計術」は、この2つを掛け合わせたものです。
まず属性で「どのメニューセットを見せるか」を決め、そのセットの中をタブで整理する。
この二段構えにすることで、情報量と使いやすさを両立できます。
LINE公式アカウント単体の機能(リッチメニューエイリアス)でもタブ風の切り替えは可能ですが、属性に応じた「自動」切り替えはLステップのような拡張ツールの得意分野です。
ツール選びについてはLINE公式アカウントだけでは限界?
Lステップ等「拡張ツール」の選び方と導入メリット
をご参照ください。

初めての友だち・リピート客・VIP客の3階層設計の全体像

属性別リッチメニューを成功させるカギは、いきなり画面を作り始めるのではなく、「誰を、どの基準で、どの階層に分けるか」を先に決めることです。
ここでは、studio-THが多くの店舗で採用している3階層モデルをご紹介します。

階層を決める「判定基準」の作り方

階層分けの基準は、業種によって変わりますが、基本は次の3つの指標の組み合わせです。

  • 来店回数(購入回数):最もわかりやすく、スタッフも理解しやすい基準
  • 累計利用金額:客単価の差が大きい業種(美容・整体・物販など)で有効
  • 最終来店日からの経過日数:「以前はVIPだったが最近来ていない」お客様(休眠客)を見分けるための基準

たとえば美容室であれば、「来店0回=初めての友だち」「来店1〜5回=リピート客」「来店6回以上かつ直近90日以内に来店=VIP客」といった具合です。
ポイントは、スタッフやシステムが迷わず判定できる、シンプルな基準にすることです。
判定の材料となる来店回数は、Lステップの「友だち情報」に数値として記録するか、来店のたびに「タグ」を付与する形で管理します。
ショップカードの活用法は紙のポイントカードはもう古い?
LINEショップカードでリピーターを確実に育成する方法
で解説しています。

階層ごとのメニュー構成テンプレート

判定基準が決まったら、階層ごとに「一等地に置くボタン」を決めます。
以下は、サロン・飲食店・整体院などで汎用的に使えるテンプレートです。

階層最大の目的一等地(左上・大ボタン)その他のボタン例
初めての友だち初回来店・初回購入初回限定特典を受け取るお店の紹介、料金表、よくある質問、アクセス、お悩み診断
リピート客再来店の習慣化次回予約をするポイントカード、新メニュー、スタッフ紹介、口コミ投稿、友だち紹介
VIP客関係性の維持・LTV最大化担当者指名で優先予約VIP限定特典、先行案内、店長への直通相談、限定商品

初めての友だちのメニューには「不安を解消する情報」を、リピート客には「習慣化を後押しする仕組み」を、VIP客には「特別扱いされている実感」を配置するのが原則です。
初めての友だち向けには、Lステップで作る「お悩み診断」を置くと、楽しみながら自分に合ったメニューを知ってもらえるため、初回来店への心理的ハードルが大きく下がります。

タブの中身をどう分けるか:「行動タブ」と「情報タブ」

各階層のメニューをさらにタブで整理する場合、おすすめは「行動タブ」と「情報タブ」の2タブ構成です。
行動タブには予約・購入・特典受け取りなど、売上に直結するボタンを集めます。
情報タブにはメニュー表・スタッフ紹介・アクセス・よくある質問などを集めます。

タブを3つ以上に増やすと、お客様がどこに何があるかわからなくなるリスクが高まります。
タブは2つ、多くても3つまでが鉄則です。
また、トーク画面を開いたときに最初に表示されるタブは、必ず「行動タブ」にしてください。

Lステップでタブ切り替え型リッチメニューを構築する完全マニュアル

ここからは、実際にLステップで属性別・タブ切り替え型のリッチメニューを構築する手順を解説します。

STEP1〜3:タグと友だち情報欄の準備

STEP1:階層タグを作成する。
「階層_初めて」「階層_リピート」「階層_VIP」の3つのタグを作成します。

STEP2:来店回数を記録する友だち情報欄を作る。
「来店回数」という数値型の友だち情報欄を作成します。
来店のたびに1ずつ加算されるように設定します。

STEP3:判定ルールを決める。
「来店回数が1以上になったら階層_リピートを付与し、階層_初めてを外す」といった自動アクションの条件を整理します。
顧客属性管理の考え方は名簿は宝。
Lステップで実現する、顧客属性に合わせた「1対1」のメッセージング
をご参照ください。

STEP4〜6:リッチメニューの作成とタブ設定

STEP4:階層ごとのリッチメニューを作成する。
3階層分のリッチメニュー画像を用意します。
VIP用は特別な色使いにするなど、視覚的な変化を加えると効果的です。

STEP5:タブ用の画像を作り分ける。
1階層につき「行動タブ選択時」と「情報タブ選択時」の2枚の画像を用意します。
3階層×2タブで、合計6枚の画像が必要になります。

STEP6:アクション設定でメニューを切り替える。
Lステップのリッチメニュー設定で、タブ領域をタップした際の動作に「リッチメニューを切り替える」アクションを設定します。
ここで「リピート客の情報タブ」から「リピート客の行動タブ」へ正しく戻るよう、設定ミスに注意しましょう。
デザインのコツはクリック率が変わる!
ターゲットの心を動かすリッチメニューのデザインと思考
で紹介しています。

STEP7〜9:自動切り替えのトリガー設定とテスト

STEP7:友だち追加時の初期メニューを設定する。
「友だち追加時設定」で「階層_初めて」メニューを表示するよう設定します。

STEP8:条件分岐で自動切り替えを設定する。
「自動応答」や「アクション設定」を使い、来店回数やタグの変化に応じて「リッチメニューを変更する」処理を組み込みます。

STEP9:実機でテストする。
自分やスタッフのアカウントを使い、階層が上がるごとにメニューが正しく切り替わるか、タブの挙動に矛盾がないかを必ず確認します。
導入時によくあるつまずきはLステップ導入失敗防止ガイドにもまとめています。

よくある失敗パターンと対策

失敗1:メニューが切り替わったことにお客様が気づかない

対策:切り替えと同時にメッセージを送る。

「2回目のご来店ありがとうございます!メニューが常連さま専用に変わりました。次回予約はメニュー左上からどうぞ」と一言添えるだけで、注目度は大きく変わります。

失敗2:階層を細かく分けすぎて運用が破綻する

対策:まずは3階層・2タブから始める。

階層を増やすほど、画像制作やテストの負担が激増します。
運用が安定してから拡張しましょう。
スタッフの負担軽減についてはスタッフを疲弊させずに効果を上げる運用体制をご覧ください。

失敗3:VIPメニューに「特別感」がない

対策:VIP専用の窓口や先行予約を置く。

デザインだけでなく、「VIP専用のチャット窓口」など、機能としての特別感を1つは持たせましょう。
特典設計の考え方はクーポン以外の魅力的な特典の作り方が参考になります。

全国の業種別活用事例

事例1:ある美容室(福岡県)

  • 施策:来店回数で3分割。
    リピート客には「前回と同じメニューで予約」ボタンを配置。
  • 成果:LINE経由の次回予約比率が22%から51%に向上。
    予約サイトの手数料を大幅削減。
    美容サロンの自動化は予約率43%を実現したLINE自動化の全手法で紹介しています。

事例2:某焼肉店(北海道)

事例3:あるパーソナルジム(愛知県)

費用対効果シミュレーションと効果測定

友だち2,000人の店舗での試算

共通メニューのタップ率が10%の場合、属性別最適化を行うことで、リピーター層のタップ率が20%を超えるケースは珍しくありません。
仮に予約数が月30件から60件に増えれば、客単価6,000円として月18万円の売上増。
Lステップの月額費用(月数千円〜)を十分に回収できます。
導入費用にはIT導入補助金を活用できる場合もあります。

追うべきKPI

1. 階層ごとのタップ率:どの層にどのボタンが響いているか。
2. 階層の移動数:新規からリピートへ何人上がったか。
3. 休眠客の復帰率:専用メニューによる呼び戻し効果。
休眠客対策は休眠顧客の掘り起こし方法をご参照ください。

studio-THのサポートと診断チェックリスト

導入準備チェックリスト

  • [ ] ボタンごとのタップ数を把握している
  • [ ] 新規と常連で案内したい内容が明確に分かれている
  • [ ] 来店回数をLINE上で計測できる(または今後計測したい)
  • [ ] 予約サイトなどの外部手数料を減らしたい

studio-THは、Lステップ認定代理店として、これら全ての構築・運用をサポートします。
自社でやるべきかプロに任せるか迷っている方は、運用の境界線ガイドをご覧ください。

まとめ:お客様ごとの「おもてなし」をLINEで

属性別リッチメニューは、対面接客での「いつものですね!」をLINE上で再現する仕組みです。

本記事のポイント

  • 全員共通メニューは「誰にとっても70点」になりがち。
  • 「初めて・リピート・VIP」の3階層×2タブ設計が鉄則。
  • Lステップの自動アクションで、スタッフの手間なく切り替える。
  • 層ごとの数値を分析し、月1回の微調整で成果を最大化する。

完璧を目指す必要はありません。
まずは既存のメニューを「新規向け」「常連向け」に分けることから始めましょう。
成功事例の詳細はLステップ導入成功事例_リピート率改善も参考にしてください。

よくある質問(Q&A)

Q1. LINE公式アカウントだけでも属性別に切り替えられますか?

標準の管理画面(GUI)だけでは、タグや来店回数に応じた「自動」切り替えはできません。
Lステップ等のツールが必要です。

Q2. 画像は何枚必要ですか?

3階層×2タブなら計6枚です。
タブを使わないなら3枚からスタートできます。

Q3. 既存の友だちにも適用できますか?

はい。
アンケート機能等で情報を取得し、一括でタグを付与すれば即座に切り替え可能です。
アンケート活用はセグメント配信でブロック率を半減させる方法をご参照ください。

Q4. VIP客が来なくなったらどうしますか?

「降格」ではなく「呼び戻し専用メニュー」に切り替えるのがおすすめです。

Q5. 構築期間はどれくらいですか?

設計から画像制作、設定まで含めて2〜4週間程度が一般的です。


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