LINEで通販を始めたいと考える事業者向けに、「LINEでどこまで販売ができるのか」を仕組みから整理する記事です。
ECサイトとの違いを機能比較ではなく運用設計の観点で捉え、向き・不向き、導入前に確認すべき判断ポイントをまとめます。
LINE通販を過度に推奨するのではなく、自社の販売目的・商品特性・運用体制に照らして導入可否を判断できるように構成しています。
studio-TH(弦巻 陽輔)
新潟唯一のLステップ正規代理店
商工会アドバイザーとして多数のLINE活用支援を実施中。
LINEで通販を検討する事業者が増えている背景
LINE通販の検討が増える背景には、「集客〜購入〜再購入」を同じ導線上で設計したいという要望があります。
ECサイトは自由度が高い一方、制作・更新・集客・分析などのタスクが分散しやすく、少人数運営では負担が先に立つことがあります。
その点LINEは、日常的に使われる連絡手段であり、友だち追加を起点に情報提供と購入案内を近い距離で行えます。
ただし、LINEは本質的に「コミュニケーションの器」であり、ECの全機能を代替するものではありません。
自社が求める販売体験が、LINEの強み(接点維持・再来訪促進)と合うかを見極めることが重要です。
ECサイト運営のハードルが高く感じられやすい理由
ECサイトは、商品ページ作成、決済、配送、特商法表記、集客、改善まで一連の運用が必要です。
特に「集客が別問題」となりやすく、広告やSEO、SNS運用など複数チャネルを同時に回す負担が生まれます。
結果として、販売以前に運用設計で手が止まり、より身近なLINEでの販売導線を検討する事業者が増えています。
SNS集客と販売をつなげたいニーズ
SNSで認知を取れても、購入先が別サイトだと離脱が起きやすい場面があります。
LINEは友だち追加を挟むことで、投稿→追加→案内→購入という導線を短く設計しやすいのが特徴です。
一方で、SNSの拡散力とLINEの閉じたコミュニケーションは性質が異なるため、役割分担の設計が前提になります。
リピート顧客との接点を維持しやすい特徴
LINEは購入後のフォローや再入荷案内など、継続接点を作りやすい媒体です。
メールより開封されやすい傾向があると言われる一方、配信頻度が高いとブロックされるリスクもあります。
「売るため」だけでなく、購入後の不安解消や使い方提案など、関係維持の設計が成果に影響します。

そもそも「LINEで通販」とはどんな仕組みか
「LINEで通販」と一口に言っても、実態は大きく3パターンに分かれます。
①LINE上で商品案内をして外部のECサイトへ誘導する、②LINEのトーク内で注文情報を受け付けて手動で処理する、③LINE公式アカウントに拡張ツール等を連携し、商品表示・カート・決済などを一定範囲で仕組み化する、のいずれかです。
重要なのは、LINE単体は「販売機能をフル装備したEC」ではなく、販売体験を組み立てるための接点である点です。
どこまでをLINE内で完結させ、どこからを外部(EC/決済/在庫/配送)に任せるかで、運用負荷と顧客体験が変わります。
ECサイトとの基本的な違い
ECサイトは検索・回遊・比較を前提にした「売り場」です。
一方LINEは、トークやメニューを通じて案内する「接客の場」に近い性格があります。
そのため、商品一覧の見せ方や導線設計は、ECの常識をそのまま当てはめるより、会話と案内の設計として捉える方が判断しやすくなります。
LINE内で完結する範囲
LINE公式アカウントでは、メッセージ配信、リッチメニュー、チャット対応などが中心です。
注文受付や決済までをLINE内で完結させたい場合は、外部の仕組み(拡張ツール、決済リンク、フォーム等)を組み合わせることが一般的です。
「完結」といっても、実際は裏側の在庫・配送・顧客管理が残るため、どこを自動化するかが論点になります。
外部サービスと連携する考え方
LINE通販は、LINEをフロント(入口)にして、決済・在庫・配送などを外部で支える設計になりやすいです。
連携の目的は、機能を増やすこと自体ではなく、運用の手戻りを減らすことにあります。
例えば「注文情報の転記が多い」「在庫の二重管理が起きる」などの課題があるなら、連携の優先度は上がります。

LINEで通販を行うことでできること
LINE通販で実現しやすいのは、購入までの導線を短くし、購入前後のコミュニケーションを同じ場所に集約することです。
具体的には、リッチメニューやメッセージで商品を案内し、注文フォームや決済ページへ誘導し、購入後は発送連絡や問い合わせ対応をトークで行う、といった流れが組めます。
また、限定販売や再販通知など「特定の人に、特定のタイミングで」届ける施策と相性が良い傾向があります。
ただし、商品点数が多い場合の回遊性や、詳細な検索・比較の体験はECサイトの方が設計しやすいこともあります。
LINEでできることは、ECの代替ではなく、販売プロセスの一部を強化する選択肢として捉えるのが現実的です。
商品選択から注文までの流れ
LINEでは、メッセージやリッチメニューで商品を提示し、購入導線へ誘導できます。
導線は「少ない選択肢を迷わせずに案内する」設計が向きやすいです。
一方で、比較検討が前提の商品では、情報量が増えるほどトークが長くなり、選びにくさが出るため見せ方の工夫が必要です。
購入者とのやり取りの一元化
購入前の質問、購入後の配送連絡、返品・交換の相談などをLINEに寄せると、対応窓口を一本化しやすくなります。
ただし、担当者が複数いる場合は返信ルールや対応履歴の管理が必要です。
「一元化=自動化」ではないため、どこまで人が対応するかを先に決めると運用が安定します。
限定販売・再販案内への活用
友だち追加済みの顧客に対して、限定販売や再販情報を届ける運用はLINEの得意領域です。
特に、入荷数が限られる商品や、販売タイミングが重要な商材では「通知の速さ」が価値になります。
ただし、配信が販促一辺倒になるとブロックにつながるため、情報の比率設計が重要です。

LINE通販ですべてが解決するわけではない点
LINE通販は導線短縮や接点維持に強みがある一方、EC運営で発生する課題が消えるわけではありません。
商品点数が増えるほど、トークやメニューだけで「探しやすさ」を担保するのが難しくなります。
また、在庫管理・発送・顧客情報管理は、LINEの外側で確実に回す必要があります。
拡張ツールを使っても、業務が自動で整うわけではなく、例外対応(欠品、住所不備、同梱、キャンセル等)は残ります。
さらに、ECサイトが得意とする拡張性(検索、レビュー、レコメンド、分析、広告連携など)をどこまで求めるかで、LINEを主戦場にするか補助線にするかの判断が変わります。
商品点数が多い場合の注意点
商品数が多いと、LINE上での一覧提示やカテゴリ導線が複雑になりやすいです。
結果として「探せない」「比較できない」体験になり、問い合わせ対応が増える可能性があります。
商品点数が多い場合は、LINEは案内・再来訪の入口に寄せ、詳細な回遊はEC側に任せる設計も検討余地があります。
在庫管理・発送業務の考え方
LINEで注文を受けても、在庫の引当、梱包、配送、追跡番号連絡などの業務は残ります。
手作業が多いと、売上増より先にミスや遅延リスクが顕在化します。
既存の在庫管理や配送フローがあるなら、LINE導入でどこが増えるのか、二重入力が起きないかを先に洗い出すことが重要です。
EC的な拡張性との違い
ECサイトは、検索、レビュー、クーポン設計、分析、広告タグなど拡張の選択肢が多いです。
LINEは接客導線に強い反面、拡張は外部連携に依存しやすく、設計の自由度は構成次第になります。
将来的に「商品数増」「多チャネル展開」を見込むなら、LINEをどの位置づけにするかを先に決めると迷いが減ります。

LINEで通販が向いている事業者の特徴
LINE通販が向きやすいのは、商品と顧客の関係が比較的シンプルで、購入前後のコミュニケーションが価値になる事業者です。
具体的には、商品数が絞られていて案内がしやすい、リピートが見込めて継続接点が売上に影響する、すでに対面やSNSで顧客接点があり友だち追加へつなげやすい、といった条件が重なるほど導入判断がしやすくなります。
逆に、初回購入の多くを検索流入に依存する場合や、比較検討が長い商材では、LINE単体で完結させるより役割分担が現実的です。
「LINEで売る」ではなく、「LINEで接点を持ち、購入を後押しする」設計が合うかを軸に考えると、過不足のない導入になります。
商品数が比較的少ない場合
商品数が少ないと、リッチメニューやメッセージでの案内が成立しやすいです。
選択肢が絞られているほど、購入までの導線を短く設計できます。
反対に、商品が増える見込みがあるなら、将来の導線(カテゴリ、検索、特集)をどこで担保するかも同時に考える必要があります。
リピート購入が見込める商品
消耗品、定期的に買い足す商材、季節ごとに案内できる商品はLINEと相性が良い傾向があります。
購入後のフォローや使い方提案が次回購入につながる場合、LINEの接点維持が活きます。
ただし、配信設計を誤るとブロックされるため、頻度と内容のバランスが前提条件になります。
対面・SNS経由で顧客接点があるケース
店舗、イベント、既存顧客リスト、SNSフォロワーなど、すでに接点がある事業者は友だち追加を促しやすいです。
この場合、LINEは「購入の場」だけでなく「連絡の場」として自然に定着しやすくなります。
一方、ゼロから友だちを増やす場合は集客設計が別途必要で、導入効果の見立てが変わります。

まだLINE通販を導入しなくてもよいケース
LINE通販は有効な選択肢になり得ますが、すべての事業者にとって最短ルートとは限りません。
商品点数が多く、カテゴリ横断での検索・比較が重要な業態では、LINE上の導線だけで顧客体験を担保するのが難しくなります。
また、SEOを主軸に新規顧客を獲得したい場合、検索に強い商品ページ資産を積み上げる戦略が中心になり、LINEは「獲得後の育成」に回す方が整理しやすいことがあります。
導入判断では、LINEで何を改善したいのか(初回購入率、リピート率、問い合わせ削減など)を明確にし、現状のボトルネックに対して最短で効く手段かを確認することが重要です。
大量商品・多カテゴリを扱う場合
大量商品を扱う場合、顧客は検索・絞り込み・比較を前提に動きます。
LINEのトーク導線だけでそれを再現しようとすると、設計と運用が複雑化しやすいです。
この場合は、ECサイトを主売り場にし、LINEは再来訪やセール告知など補助導線として使う整理が現実的です。
SEO集客を主軸にしたい場合
SEOは、検索される商品・悩みに対してページを用意し、資産として積み上げる考え方です。
LINEはクローズドな環境のため、検索流入の受け皿にはなりにくい側面があります。
そのため、SEOを主軸にするなら、まずECやサイト側の基盤を整え、LINEは購入後フォローや会員化に活用する方が役割分担しやすくなります。

LINE通販を導入する前に整理したい判断ポイント
LINE通販の導入可否は、ツール選定より先に「目的」「運用」「自動化範囲」を整理すると判断しやすくなります。
目的が曖昧なまま始めると、配信が増えるだけで売上や工数が読めず、現場の負担が先に増えることがあります。
また、注文〜発送までのフローを紙やスプレッドシートで回すのか、既存の在庫・会計システムとどう整合させるのかで、必要な連携が変わります。
さらに、顧客対応をどこまで自動化し、どこを人が担うかは、ブランド体験と運用コストの両面に影響します。
導入前にこの3点を言語化しておくと、LINEを主戦場にするのか、ECの補助線にするのかも含めて、過不足のない設計に近づきます。
販売の目的とゴール設定
目的は「売上を増やす」だけでなく、初回購入率の改善、リピート促進、問い合わせ削減などに分解できます。
ゴールが決まると、必要な機能や配信設計が絞れます。
逆に目的が複数ある場合は優先順位を付け、まず一つの指標に効く導線から作る方が運用が安定します。
注文〜発送までの運用フロー
注文受付後に誰が何をするかを、例外対応まで含めて書き出すことが重要です。
欠品、住所不備、同梱、キャンセルなどは必ず発生し得ます。
LINE導入で「連絡は楽になる」が「処理は増える」こともあるため、現場の処理能力と照らして無理のないフローにします。
顧客対応をどこまで自動化するか
自動応答やテンプレートで効率化できる一方、個別対応が価値になる商材もあります。
自動化は「削る」ではなく「人が対応すべき場面に集中する」ための設計と捉えると判断しやすいです。
問い合わせの種類を分類し、定型は自動、判断が必要なものは人、という線引きを先に決めます。

LINE通販ツールの一例としての「通販くん」
LINE通販を検討する際は、特定ツールの機能一覧から入るより、「自社の運用をどこまで仕組み化したいか」を先に決める方が失敗しにくいです。
そのうえで、LINE公式アカウント上の導線を整え、注文受付や案内を一定程度テンプレート化できるツールを比較検討します。
ここでは一例として「通販くん」を挙げますが、重要なのは名称ではなく、LINEをフロントにした販売導線をどう設計するかという考え方です。
導入判断では、商品点数、注文頻度、問い合わせ量、担当者数などの前提条件を置き、手作業がどれだけ減り、どこに例外対応が残るかを確認するのが現実的です。
ツールは万能ではないため、現場の運用に合う粒度で「できること/やらないこと」を決めることが、結果的に顧客体験の安定につながります。
LINEで通販を仕組み化する考え方
仕組み化の中心は、導線の固定化と情報の抜け漏れ防止です。
例えば、商品案内→注文→確認→発送連絡の型を作り、担当者が変わっても同じ品質で回せる状態を目指します。
その際、LINEは接客の入口として使い、裏側の在庫・配送と矛盾が出ない設計にすることが前提になります。
通販くんで対応できる業務範囲
通販くんのようなLINE通販支援は、LINE上の案内、注文受付、顧客とのやり取り整理などを支える位置づけになりやすいです。
一方で、実際の梱包・発送や、既存システムとの統合は別途設計が必要な場合があります。
導入前に「現場で発生している手作業」を棚卸しし、どの作業が対象になるかを確認することが重要です。
小規模事業者での活用イメージ
例えば、月に数回の限定販売を行う小規模ブランドでは、LINEで告知し、注文を受け、発送連絡まで同じ窓口で完結させる運用が考えられます。
この場合、商品数を絞り、案内文と対応ルールをテンプレート化すると回しやすくなります。
ただし、販売量が増えたときに処理が詰まらないかは、事前に上限を想定しておく必要があります。

相談した方が判断しやすくなるタイミング
LINE通販は「できるかどうか」より、「自社の前提条件で回るかどうか」の判断が難しい領域です。
商品特性、顧客層、既存の販売チャネル、発送体制、問い合わせ対応の負荷などが絡み、最適解が一つに定まりにくいからです。
そのため、導入を急ぐより、現状のボトルネックを整理し、LINEに任せる範囲とECに残す範囲を切り分けるだけでも意思決定が進みます。
LINE通販が自社に合うか分からない場合は、現状整理の壁打ちとして相談しても問題ありません。
「導入ありき」ではなく、やらない判断も含めて検討できる相手を持つと、運用開始後の手戻りを減らせます。
自社だけでは向き・不向きが判断しにくい場合
商品数、注文頻度、顧客対応の量などが中間的だと、LINEが主戦場か補助線か判断が割れます。
この場合、現状の業務フローと理想の顧客体験を並べ、ギャップを埋める手段としてLINEが適切かを整理すると結論が出やすいです。
第三者に壁打ちすると、前提の抜け漏れに気づけることがあります。
既存の販売方法との切り分けに迷うとき
EC、モール、店舗、SNSなど既存チャネルがあるほど、LINEの役割が曖昧になりがちです。
「新規獲得はどこで行い、購入はどこで完結させ、リピートはどこで育てるか」を分けて考えると整理できます。
切り分けに迷う段階では、導入前に運用図を作るだけでも判断材料が増えます。

まとめ|LINEで通販は「使いどころ」を見極めることが重要
LINEで通販は、導線短縮や接点維持に強みがある一方、ECサイトの全機能を置き換えるものではありません。
どこまでをLINEで担い、どこからをECや外部サービスに任せるかで、運用負荷と顧客体験が決まります。
向いているのは、商品数が絞られ、リピートや購入後フォローが価値になる業態、すでに顧客接点があり友だち追加へつなげやすいケースです。
逆に、多商品・多カテゴリやSEO主軸の戦略では、LINEは補助線として位置づけた方が整合しやすいことがあります。
最終的には、目的、運用フロー、自動化範囲を整理し、無理なく回る設計かどうかで判断するのが現実的です。
導入よりも運用設計が重要になる
LINE通販は、始めること自体より、続けられる運用に落とし込めるかが成果を左右します。
例外対応を含む業務フロー、配信の頻度と内容、担当者間のルールなど、運用の型がないと負担が増えやすいです。
LINE通販が自社に合うか分からない場合は、現状整理の壁打ちとして相談しても問題ありません。
| 観点 | LINEを軸に考えやすいケース | ECサイトを軸に考えやすいケース |
|---|---|---|
| 商品構成 | 商品数が少なめで案内がシンプル | 商品点数が多く検索・比較が重要 |
| 購入動機 | 再販通知・限定案内などタイミングが重要 | 情報収集・比較検討の時間が長い |
| 集客の主戦場 | 既存顧客・SNS・対面から友だち追加へ | 検索流入(SEO)で新規獲得したい |
| 運用体制 | 少人数で接客と販売を近い距離で回す | 業務分業・拡張・分析を前提に設計 |
- LINEで「何を改善したいか」を目的に分解する
- 注文〜発送〜問い合わせの運用フローを先に書き出す
- LINE内完結にこだわらず、外部連携の前提で設計する
- 向き・不向きが曖昧なら、壁打ち相談で前提を整理する
自分では難しいと思ったら
LINE公式アカウントは、設定や配信を自己流で進めると
「時間をかけた割に成果が出ない」
という状態になりやすいツールです。
もし、
- 今の設定や運用が正しいか不安
- 配信しているが、予約や問い合わせにつながらない
- 無料のままで続けるべきか、有料に切り替えるべきか迷っている
- Lステップなど拡張ツールが必要か判断できない
このような悩みがある場合は、
一度専門家の視点で整理してもらうだけでも、次にやるべきことが明確になります。
「全部任せる」のではなく、
現状確認や方向性の相談だけでも問題ありません。
無駄な遠回りや不要な課金を避けたい方は、
お気軽にご相談ください。


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